日本のロック評論家として知られる小川真一さんからの「骨」評です!


フェイスブックに挙げていただいた、小川真一さんからの久住昌之&オーケストラQ「HONE」の評です。小川様たいへんありがとうございます。

はちみつぱい/鈴木慶一(ムーンライダーズ)/あがた森魚のファンにとって、この「骨」(作詞:久住昌之/作曲:鈴木慶一)は特別な曲だ。

初出は、88年のはちみつぱいの再結成ライヴ。数少ない新曲のひとつとして発表された。そして、同じ年にリリースされた、あがた森魚の『ミッキーオの伝説』にはちみつぱいのバッキングで収録。

また93年に発表された、鈴木慶一のデモ/レア・トラック集である『THE LOST SUZUKI TAPES Vol. 1』では、89年のライヴ・ヴァージョンのを聴くことができる。

個人的には、2010年の秋に常滑の「阿雲」で聴いた、あがた森魚のヴァージョンが深く心に残っている。あの日は、格別にいい日だった。

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その名曲「骨」をタイトルにしたのが、この曲の作者である久住昌之&オーケストラQの『HONE 「骨」』だ。今回は大所帯のオーケストラ編成。

久住昌之は漫画家であり漫画の原作者。泉晴紀とコンビを組んだ「泉昌之」の名義で、数々の名作を発表。その後もカルトな名声を得ていたが、彼の名前を一般的にしたのは、原作者として谷口ジローと組んだ「孤独のグルメ」のシリーズだろう。松重豊の主演でドラマ化され人気を博した。

久住は昔からバンドを組んでおりモダン・ヒップスを率いていたが、スクリーントーンズ名義で「孤独のグルメ」のサウンドトラック盤を数種リリースしている。ソロとしては、2011年の『ミュージコミクス(Musicomix)』があり、このアルバムには、三鷹にあった幻のラーメン屋「江ぐち」を歌った「江ぐちの歌」が収録されている。

今回の『HONE 「骨」』は、漫画家ならではの、とぼけた視点が面白いアルバムだ。アーバンなブルースで歌われる「シブイ店見つけた」は、「孤独のグルメ」にも通じるB級グルメ・ソング。不条理過ぎる日常を歌った「変な電車」、大陸歌謡を思わせる「太湖」、妙なほどに切なく響く「瞬ク日々」や「二人乗り」など名曲揃いの作品集。

充実感のある自由な演奏で、今回のこのオーケストラQを、エミール・クストリッツァのノースモーキング・オーケストラと比べたくなってしまった。おっと、オーケストラQのほうがずっと剽軽だけどね。

やはり作者による「骨」に耳がいってしまう。「ボーン・ボーン」のリフレインが実に印象的で、壮大にして虚無。このやるせないほどの無常観が堪らない。最後には誰も骨という物体になってしまう、だから今、君を抱きしめたい。こんな気持ちにさせられる、素晴らしい歌詞だ。心にズシりと響いた。

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