副島輝人氏

本日未明、ジャズ評論家・プロデューサーの副島輝人氏が逝去されました。ご冥福をお祈り申し上げます。
朝、不破君から電話があり、発表はまだだが亡くなったと聞いて黙っていたが、夕方にツイッターを見たら既にツイートされていたのでビックリした。

1931年生まれだったハズだから幾つだろ? 83歳か?
気骨の人だった。
頑固一徹。
最後まで自分の主張は曲げない、貫き通す。
穏やかで人の話を聞いてくれるが曲げない物は曲げない、一貫した熱い人だったように思う。

山下洋輔、イースタシア・オーケストラ、を始め自らが切り開いた、ドイツ、ロシアを含めた海外のフェスに大勢の日本人ジャズミュージシャンを紹介して出演させてくれました。
フェダイン、渋さ知らズ、大友良英、ROVO等々も、最初は彼のおかげで海外のフェスへ出掛けられたのです。彼らだけでなく、パリの日本文化会館での日本のジャズを紹介する公演の企画等、海外公演を沢山手がけられ、多くの日本人ミュージシャンが参加されています。

そして、地底レコードでは副島輝人氏の大量の個人所有の70年代のフリージャズテープ・LPの中から、彼のプロデュースで3作を選びCDにして来た。

■ 高瀬アキ&井野信義「天衣無縫」MC-10003
■ 高柳昌行トリオ「即興と衝突」MC-10017
■ 佐藤允彦&ローレンニュートン「Skip the Blues」MC-10019

来年には、富樫雅彦、スティーブ・レイシー、加古隆、+外人のベーシストのカルテットでの海外録音(何処だったか忘れた)を3部作の最終作としてリリースする話が進んでいたが、それはどうなるのか分からない。だいたいあの大量のテープはどうされたのだろうか?処分してないだろうな?
いろいろな貴重なセッションや熱演の音を何度も聞かせていただいた。
このテープ聞きたいからCD-Rにしてくれとかでね。

他にも「日本フリージャズ史」(青土社)「現代ジャズの潮流」(丸善ブックス)「世界フリージャズ記」(青土社)などがある。ジャズ批評誌やライナーノートを始めその著作で影響を受けた人も多いだろう。

彼の最後のフェイスブックでのメッセージを掲載しておきます。
下記の文の中の、彼の引っ越し先とはお墓のことだった。梅津さんがフェイスブックへの返答で変わった住所だけどとあった、私もそう思ったが、これは妹さんの隣の区画の話が書かれているそうだ。
最後をさとり、彼のダンディズムでの謎の言葉の数々。粋だね。

また何か書くことがあるかも知れません

合掌!

5月30日のフェイスブックより

Unknown引っ越しをすることになった。諸々の事情があって、あまり人には話していなかったが、もう間もなくのことになるだろう。移転先は決まっている。京都府・宇治市。JR奈良線の快速では、京都から18分、奈良からは30分のところ。宇治駅前からタクシーに乗り、清流宇治川を左手に見ながら、それを遡るように山に入って10分程、なだらかな緑の丘があってそこが天が瀬の公園である。J 区 92番地と云えば、門を守る人が案内してくれるだろう。

とても小さな家だ。究極の美意識を持った千利休があらゆる無駄を削ぎ落として創った茶室に倣った訳でもないが、極小空間である。この狭い畳敷きの部屋に幅4尺高さ5段の本棚を1基据えて、オーディオアンプと小型スピーカー、諸プレイヤーとモニターがあればそれで十分。それに読み書きするのに小机一卓。後は私と(後始末の為に少し遅れて来る) 女房の布団2枚並べて敷けば、もう余地はない。

本棚の下2段には、LP, CD, テープ等の諸音源類をいれる。恐らく三分の二はジャズであって、他にクラシック、現代音楽、邦楽、演歌等などだろうけれど、詳細は目下考慮中。上の三段を占めるだろう書籍の選択にも苦労している。一段40冊としてざっと120冊なら、現在の我が家にあるものの八分の一程度。捨てるには惜しいものばかりだ。しかし、厳選してみる。その鍵は、再読、再再読にも新たな対応をしてくれる書籍ということだ。

とりあえずは好きな作家から。福永武彦の「海市」他1~2冊、中上健次「異族」「軽蔑」、井上靖「本覚坊遺文」、高橋和己「邪宗門」、澁澤龍彦「高丘親王航海記」、塚本邦雄「幻想紀行」「連弾」「世紀末伝書」、吉岡実「サフラン摘み」、吉増剛造は何を選ぼうか。「宇治拾遺物語」と「源氏物語・宇治十帖」はもちろんのこと、それに自著3冊等など。更には前回Facebookに記した「私の批評家たち」に挙げた評論集の他に、牧野和春の優れたエッセー「櫻の精神史」、久保田展弘の「山岳霊場巡礼」、海野弘の見事な都市論「ペテルブルグ浮上」なども、置いては行けない。

海外ものとしては、グレアム・グリーン「事件の核心」、レイ・ブラッドベリー「火星年代記」、ウィリアム・フォークナー「野生の棕櫚」「響きと怒り」「八月の光」、E・T・A・ホフマンの「黄金の壷」、それにどうしてもアラン・ロブグリエ「消しゴム」、ミッシェル・ビュトール「心がわり」「時間割」、ナタリー・サロート「プラネタリウム」などフランスのアンチロマン派のものが多くなってしまう。詩人としては、ディラン・トーマス、E・E・カミングス辺りが好きなのだ。これに現代美術の画集、写真集を加える。

これらの本を読み返す読書三昧なら結構楽しいだろう。活字に読み疲れたら、当地宇治茶の老舗中村藤吉で仕入れた抹茶を日に二、三服、私の好きな黒楽の茶碗で点てながらフリージャズを聴く。食事は基本的には粗食とするが、時には宇治川での鵜飼いで採れた鮎、京都特有の鱧料理、秋の味覚松茸、更には近江牛のヒレステーキともなれば、取って置きの高級焼酎「森伊蔵」の蓋を開けてチビチビと舐めながらの晩飯となる。
これは妄想なのか、現実なのか。

ならば此処に、葛飾北斎の辞世の句に習って書いておこう。
「人魂で行く気散じは奈良京都」と。


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“副島輝人氏” への3件のフィードバック

  1. tetsuka より:

    先にお墓にいらっしゃるのはお姉さんではなく妹さんですね。

    春には綺麗な枝垂れ桜が咲く公園です。

  2. 呑亀(ブログ名俳茶居) より:

    地底レコード様
    副島輝人様のお話素晴らしかったです。小生のブログで、紹介させていただきました。ご了承願います。

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